赤瀬川原平さん死去。ただの毎日がアートになる、発見力と見立て力

前衛芸術家で芥川賞作家の赤瀬川原平さんが、77歳で死去されました。


赤瀬川さんといえば、街角で見つけた不思議な物件に美を見いだす「超芸術トマソン」「路上観察学会」が有名。

路上観察学入門 (ちくま文庫)

路上観察学入門 (ちくま文庫) [文庫]

筑摩書房
1993-12


私は高校生のころ、この本を読みました。

とても影響を受けて、散歩しながら面白いトマソンを見つけ、写真をとったことを思い出します。

当時美大を目指していた私は、「毎日の風景にいかに面白さを見つけ出すか?」

その視点こそが芸術だなと感じていました。

超芸術トマソンとは。


以下抜粋です↓
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赤瀬川原平らの発見による芸術上の概念。
不動産に付属し、まるで展示するかのように美しく保存されている無用の長物。

存在がまるで芸術のようでありながら、その役にたたなさ・非実用において芸術よりももっと芸術らしい物を「超芸術」と呼び、その中でも不動産に属するものをトマソンと呼ぶ。

その中には、かつては役に立っていたものもあるし、そもそも作った意図が分からないものもある。

超芸術を超芸術だと思って作る者(作家)はなく、ただ鑑賞する者だけが存在する。

出典http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%BD%E3%83%B3

トマソンいろいろ。
町を散歩するのが楽しくなります。

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「純粋階段」
とりあえず、登って降りたい。
出典http://image.search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%80%80%E5%9B%9B%E8%B0%B7%E9%9A%8E%E6%AE%B5&aq=-1&oq=&ei=UTF-8#mode%3Ddetail%26index%3D0%26st%3D0

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トマソン(無用トンネル)の例
通り抜けるだけでも、楽しそう。
出典http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%BD%E3%83%B3
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「階段だけが残された電柱」の例
どこへ登っていくのでしょうね?^^
出典http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%BD%E3%83%B3

そもそも日本人には「何気ないものを面白がり、見立てる力」がある。

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出典http://image.search.yahoo.co.jp/search?p=%E8%8C%B6%E9%81%93+%E8%91%89%E8%93%8B&aq=-1&oq=&ei=UTF-8#mode%3Ddetail%26index%3D6%26st%3D0

上の写真は、茶道である季節に使われる「葉蓋」です。

葉っぱを、水指しのふた(いつもは漆とか陶器でできている)に見立てています。

日本人って、こういう何かを何かに見立てて楽しむ力が、昔からある。

要は「視点を変えて物事を見る力」がある。

それはトマソンを見つける視点と少し似ている気がします。

「発見し、見立てる力」が地域活性化のもとにもなる。


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いつもの毎日も、何もないように思える地域でも、実は面白さが潜んでる。

それを見つけて面白がる視点を持ち、見えるようにして人と楽しく分かち合っていくと・・・

「何も無い」→「面白いものがある」地域に変化してゆく。

「発見し、見立てる力」が人生を楽しくし、地域も楽しくするもとにもなる。

赤瀬川さんが与えてくれたトマソン的視点を自分なりに応用して、これからも大切にして人生を楽しんでいけたらと思います。

赤瀬川さん、ありがとうございました。

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■私、ヒビノケイコについて。
高知県の山奥で暮らしながら作家活動をしています。

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山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~

自然派菓子工房ぽっちり堂ネットショップ
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私がオーナーをしている山のお菓子工房。
焼きたて、山の素材のやさしいお菓子ギフトをお届けしてます♪

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ヒビノ ケイコ
Live design研究所
2014-09-10