最近ニュースに出ていた地方創生実行統合本部の緊急提言では、
■地方の企業に地元出身者の「Uターン」を財政支援。
■地方出身者が地元に戻って生活する際に政府が支度金を出す
■親子3世代が同居、近くに住んだ場合の税制優遇措置
■企業が本社機能を地方に移転した場合の税制優遇
■高速移動を実現するリニア中央新幹線
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などなど、選挙のためのインフラ整備や財政支援策が目立ち、
人口減対策も手つかずのまま感が漂ってましたね。
Uターン者にとっての
目に見えないハードルとは。
Uターン者、といえば私の夫もそうなんです。
中学時代から高知市内の私立学校で寮生活をしていたので、
田舎で暮らすのは18年ぶり(!)
Uターンならではのプレッシャーもありながらも、
大きな決心をしてUターンしました。
その後は山カフェ・お菓子工房「ぽっちり堂」を起業して自分たちで仕事を作り、
NPOれいほく田舎暮らしネットワークで移住支援活動を・・・
ということで現在に至ります。
UターンやIターン者の相談に乗っていると、
「自分の故郷は好きなんだけど、窮屈さがいやで・・・」
「入ってみたら、若者に地域の仕事が集中しすぎて、仕事と家庭の両立が難しい」
こんな声をよく聞きます。
実際に田舎で暮らしていて感じる緊急事項は
「田舎のしきたりをリメイクすること」
今回の漫画に描いたとおり、
Uターン者、移住者、村の若者も、
少子高齢化した今の状況にフィットしていない
しきたりやしくみが、じわじわと負担に。
だけど、それを根本から変えるというのは、
ものすごいエネルギーがかかることだから
みんなしんどいけどそのまんま続けている・・・
(やり続けたとしても先はないことは見えているけれど)
そんな構造があるように思います。
どこかでこのしきたりやしくみを、
今の私達の地域暮らしにフィットしたものに
リメイクしていかないといけない。
これは先駆けとして島根県の雲南地域でも行われてきたようなので、
一度視察に行きたいなと思ってます。
「しきたり」「しくみ」には、もちろんそれ相応の価値が含まれています。
ですが、その価値は時代と共に変化できてこそ。
根っこにある「大切にしたいもの」「地域を大切に思う気持ち」
が現実のしくみにフィットしたとき、
みんなの暮らしを幸せにしてゆくものになるのだと思います。
昔ながらの地域活動が若者に集中することによって、
仕事に支障がでたり、
家庭と両立できなくて離婚危機になったり、
本人が追い詰められていけば、
なんで地域にわざわざUターン・移住したのかも分からなくなるでしょう。
そういう問題は、いくらリニア新幹線や道路などのインフラを整えても、
給付金を一時的にもらったところで解決できません。
人が地域で暮らしたいと思う理由は、
実はもっと単純なものではないでしょうか?
・楽しい場所だから、暮らす。
・魅力的な人や心地の良いつながりがあるから、暮らす。
・この町なら自分のしたい仕事や活動ができそうだから。
・この町なら家族で幸せに暮らせそうだから。
本当の意味で、地域で人が幸せに生きるために。
個人と行政がつながって「しきたりのリメイク」を丁寧にしていければ、
もっと今の若者が幸せに暮らせる地域ができるのではないでしょうか?
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■夫が事務局長をしている移住支援NPOれいほく田舎暮らしネットワーク
移住希望の方、興味があるかたはこちら
■全国での講演(移住支援、地域活性化、キャリア授業)や田舎へのスタディツアーも行っています。
☆執筆、講演などお仕事依頼はこちらまで→info@pocchiri.com
■私、ヒビノケイコについて。
高知県の山奥で暮らしながら作家活動をしています。