「廃校宿×スポーツ×NPO」何もないからクリエイティブな自分が発揮される移住。みどりの時計台・野田由美子さん

「廃校宿のナリワイ×大好きなアウトドアスポーツ×地域活性化NPO」
やり切ってるかっこいい女性、野田由美子さん。

高知県大豊町の廃校利用宿泊施設「みどりの時計台」
オーナー野田由美子さんにお話を聞いてきました。

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元・職員室がご夫婦のプライベートルーム。
自分たちで改装されていておしゃれ。
とても居心地が良すぎてついつい長居してしまいます。

ラフティングガイドから廃校宿泊施設のオーナーへ。

野田さんは富山出身。嶺北の老舗移住者さんです。
アウトドアスポーツが好きで吉野川でラフティングガイドをされていたそう。
川を下っているとき、この校舎を見つけられ、
ご夫婦で大豊町や地域の方に交渉して借り受け、宿をはじめられました。
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廃校利用は、どうやったら続けていけるかが大事。
個人がやることの重要性。

最近全国で相次ぎ、話題になりやすい廃校利用。
全国からも視察が来られるそうです。
だけど、そのほとんどは行政、自治体、もしくは企業。
個人で経営されている宿というのは珍しい。

「地域で運営する」と始めてみたものの地域のお年寄りが維持管理していく体制が多く、
高齢化にともなって維持が難しくなってくること、
経営もうまくいかないことが多いそうです。

「個人がナリワイとして経営するほうが無理なく継続いていける可能性が高いと思うんです」
と野田さんはおっしゃいます。

とはいえ、個人が廃校を借りるということは難しいこと。
野田さんご夫婦のように地域住民に説明会をひらき、
何度も提案を繰り返して理解を得、借り受けるということ。

そのためにはかなりの粘り強さやしっかりとしたプラン、
信頼してもらえる人柄が大事だと感じます。

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バーっぽいキッチン。カウンターや照明は自分たちでお気に入りを。

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意外と寒い嶺北の冬。
広い職員室は、薪ストーブじゃないとあったまらない。


ゲストハウス・宿の経営で大事なことは、当たり前のこと。

野田さんいわく「宿の運営はまず当たり前のことが大事」

泊まるが前提なので、
■ふとんを毎回干す
■水周り(トイレ、バス)をきれいに保つ
■部屋、建物の掃除

それに加えて大事なのは、
■お客さんと会話のキャッチボールができること

少々キャラは濃くても、薄いよりはいい。
その方がお客さんにも覚えてもらえるみたいですよ。

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大人の学校

みどりの時計台は自炊や共同のルームもあり、共同部分が多い宿泊施設。
ガラス戸一枚でしきられた部屋もあるし、鍵もない。
そんな場所だからこそ、お客さんが気まずくなったりしないように心をくばったり、
みんなで楽しめるように声をかけると言う。

何気なくみんなを見守りながら、
少しだけ間にはいることもオーナーのお仕事。

最低限みんなが気持ちよく過ごすための学校のルールも、
(ゴミの分別のこと、夜おしゃべりしていい時間や空間の区分けなど)
予約時から丁寧にお伝えしているそう。

都会では異常なくらいプライベート感覚が強すぎる現代だからこそ、
こういう場所で得られることも多いはず。

■他人を気にしてあげる気持ち
■最低限のルールをみんなで守りながら楽しむこと

知らない人と一緒に盛り上がったり、野田さん夫妻とおしゃべりしたり。
普通の宿では体験できないことがつまってます。

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うしろの棚は職員室にもともとあったものだそう。うまく食器棚へと活用されてますね。

移住して「私ってこんな人やと思わんかった」と思う日々。
何もないから自分で作ろう。
与えられないからこそ発揮される、0→1を生み出すチカラ。

野田さんは今、ナリワイとして宿の仕事をし、
さらに自分の好きなこととしてラフティングやクライミングなどのアウトドアスポーツを。
さらにさらに、地域活性化のため「NPO元気おおとよ」を仲間と立ち上げ、
「れいほく田舎暮らしネットワーク」にも関わって移住支援活動を起動にのせた功労者。

そして、大豊町の名産そば粉を利用した
フランスのフード
「おおとよガレット」の移動販売まで・・・・

「どんなけアクティブやねん!」と突っ込みたくなるくらい、
どんどんしたいことをやりきっていく女性。

野田さんの素敵なところは、
NPO活動でも「地域のためにやってあげてる」的な雰囲気がないところ。
「自分たちがもっと楽しくなるために、仲間を増やしたいだけ」と言います。

仕事もNPOも忙しいけれど、
「自分が好きなことは絶対はずさない」ことがモットー。
時間をやりくりして、週一でヨガとクライミングに通う日々。
地域の子供達にもスポーツやダンスを教えて下さってるんですよ。

「なんでこんなに色々できるんですか?」とお聞きすると、こんな答えが。

「私も自分がこんな人やと思わんかった(笑)
都会は物もサービスもありすぎて、人間の力が退化してしまうところがあると思うねん。
田舎に来て、悔しいくらい何も与えられないからこそ、自分でやらんと!という気持ちになる。
そうやって自分で何かをしよう、つくっていこうとすればするほど、
新しい自分の一面が発揮されていく感じやねん」

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ラフティングガイドでは
「一つのボートに乗ってるバラバラの人たちをひとつにまとめていく」
それは、宿の運営でも同じこと。

ラフティングガイドの仕事は、ただ川を下るように教えるだけではない。
大切なのは、年齢も性別も性格も価値観も住んでいる場所も、
すべてがバラバラな人々を一つにまとめていくこと。

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「安全に、楽しく川を下る」
シンプルなミッションは、地域作りにもつながる。

このミッションはバラバラの人でも共通して持てるシンプルなもの。

今、山間部の過疎地には課題がいっぱい。
そんな中で、それぞれの考え方はありながらもつながってゆく。
根っこのミッションだけは一つにして、
協力し合っていくことが大事だなって改めて感じました。

■ノスタルジックな木造校舎。廃校の宿泊施設「みどりの時計台」in高知嶺北
記事はこちら→http://hibinokeiko.blog.jp/archives/17768780.html

■私、ヒビノケイコについて。
高知県の山奥で暮らしながら作家活動をしています。

こちらは新刊のエッセイ漫画。田舎の食についても描いてます♪
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]

山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~

■12月14日(日)東京「やのや」でのヒビノケイコ
「山カフェ日記」読書会&似顔絵サイン会
⇒http://hibinokeiko.blog.jp/archives/17159974.html

川村さん3
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