普段は質素に暮らしているのだけど、「ここぞ」という時にはオーダーメイドをしてみる。 それはひとつの陶器だったり、キッチンにしっくりとおさまる家具だったり、家だったり。
オーダーメイドをするときには、たいせつにしていることがある。
それは「誰にたのむか」だ。
「誰に」はすごく大事で、ここを間違うと、いくらコミュニケーションを細かくとったところでうまくいかない。どこか「違うな」と思うものが出来る。
ポイントは、「その人のセンスが絶対的に好きであること。それを信頼していること」
そこから、思ってもみないような楽しさが生まれる。
こんな注文をしてみた。
・用途としては、 カフェで使うものなので重ねやすく、質感はおもしろいけど釉薬はしっかりかかっていて洗いやすいもの。
わたしは、彼の感覚と技、人となりをまるごと信頼している。わたしの講座を聞いてくれて以来、同じ世代のアーティストとして共感しあうところがあり、奥様もふくめて意気投合した。
陶器のオーダーに関しては、スカイプなどで打ち合わせは何度かした。イメージの陶器や色も提案してくれた。わざわざ関東からうちにきて、ここの自然や石を感じてくれた。
◾️家をオーダーする
工房とアトリエのある建物は、若手の信頼している大工、岡部智也さんに設計と施工をしてもらった。彼とは以前から友達だったのだけど、そのセンスは、海辺のホテルのリノベーションをみても、家をみても、どこの国かわからない風情を持ちつつ洗練されたもので、いつかお願いしたいと思っていた。
彼にとってのはじめての全設計の作品がうちだった。低予算で大変苦労させたのにもかかわらず、全エネルギーを割いて試行錯誤しながら作ってくれたのは感謝してもしきれない。
イメージを話すと、いろいろと提案してくれ、すり
合わせをした。でも最終的には彼のセンスに任せようと思った。信頼があったので、気持ちはラクだった。
◾️窓枠は、視点を変えるフレーム
すてきだなと思った姿勢は「この場所はとても景色がきれいだから、それが映えるように窓を作るね」というところ。
建物ありきではなくて、この自然の中に合う建物をつくり、そこから望んだとき美しさが浮き彫りになるような設計。古民家とも馴染むような設計。
よく訪れた人が、自分ちの庭と変わらないような自然をみて「このカフェにくると、いつもの景色がすごく美しく見える。誇りに思える」と言ってくれた。絵の額縁のような「フレーム」としての空間の機能。それが心の中にも窓を作って、同じものが別の視点から見え、そして愛おしめるような空間を作ってくれた。
2、お互いのイメージを話す。
3、その人のセンスを信頼したなら、任せる。
必ず信頼出来る存在というのはいる。そういう人と一緒に、何かを作り上げていくのはすごく楽しいこと。
オーダーメイドは、発注側の要望をただ形にするものではない。理想を語って一緒に現実に広げ、想定外のものを生み出す、一人では決してできないことをする面白いコラボ。◾️須藤圭太HP
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■著作エッセイ漫画
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]
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ヒビノケイコのプロフィール・執筆&講演履歴と依頼はこちら■私がオーナーをしている、自然派菓子工房「ぽっちり堂」
山の素材で手作りした優しいお菓子ギフト・内祝い