陶器も家も!オーダーメイドを楽しくするコツ「大切にするものは大切に作り合ったもの」

普段は質素に暮らしているのだけど、「ここぞ」という時にはオーダーメイドをしてみる。 それはひとつの陶器だったり、キッチンにしっくりとおさまる家具だったり、家だったり。

コストはそのとき少し余分にかかっても、大切に作ったものは大切にするため、長い目でみると安い場合さえある。
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オーダーメイドをするときには、たいせつにしていることがある。
それは「誰にたのむか」だ。

「誰に」はすごく大事で、ここを間違うと、いくらコミュニケーションを細かくとったところでうまくいかない。どこか「違うな」と思うものが出来る。

ポイントは、「その人のセンスが絶対的に好きであること。それを信頼していること」
そこから、思ってもみないような楽しさが生まれる。

ひとは生き物で、ただこちらの要望を聞いてもらうための職人ではない。 裏打ちとしての技は大事なことだけれど、 一番はその人の感性、感覚、作り上げるもののクオリティを信じきること。それは直感でわかる。

◾️陶器のオーダーメイド

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例えば、以前、カフェで使うお皿を陶芸作家の須藤圭太さんにオーダーをしたことがある。
こんな注文をしてみた。

・用途としては、 カフェで使うものなので重ねやすく、質感はおもしろいけど釉薬はしっかりかかっていて洗いやすいもの。
・ケーキを乗せたときに、あたりがパッと光るような明るい生え方をすること。
・テーマは、「石」


わたしは、彼の感覚と技、人となりをまるごと信頼している。わたしの講座を聞いてくれて以来、同じ世代のアーティストとして共感しあうところがあり、奥様もふくめて意気投合した。


陶器のオーダーに関しては、スカイプなどで打ち合わせは何度かした。イメージの陶器や色も提案してくれた。わざわざ関東からうちにきて、ここの自然や石を感じてくれた。
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難しかったのは「どこまで要望をいっていいのか」ということだった。細かく伝えれば伝えるほど、彼の感性は引っ込んでいくような気がして、途中から「わたしは何のためにオーダーするのか?」と深く考えた。その結果「彼のセンスが好きなんだから、任せよう。大丈夫だ」と思った。


出来上がったものは、意外性があるけれどオーダーには沿っており、澄んだ青と石の表現がとても美しかった。使い勝手もよく、どんなケーキもよく生えた。良い注文主だったかどうかはわからないけれど、何年も使って一枚も割っていないのは、注がれたエネルギーを感じるからこそ大切にしようという気持ちからだと思う。

◾️家をオーダーする

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工房とアトリエのある建物は、若手の信頼している大工、岡部智也さんに設計と施工をしてもらった。彼とは以前から友達だったのだけど、そのセンスは、海辺のホテルのリノベーションをみても、家をみても、どこの国かわからない風情を持ちつつ洗練されたもので、いつかお願いしたいと思っていた。

彼にとってのはじめての全設計の作品がうちだった。低予算で大変苦労させたのにもかかわらず、全エネルギーを割いて試行錯誤しながら作ってくれたのは感謝してもしきれない。



イメージを話すと、いろいろと提案してくれ、すり
合わせをした。でも最終的には彼のセンスに任せようと思った。信頼があったので、気持ちはラクだった。

◾️窓枠は、視点を変えるフレーム

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 すてきだなと思った姿勢は「この場所はとても景色がきれいだから、それが映えるように窓を作るね」というところ。

建物ありきではなくて、この自然の中に合う建物をつくり、そこから望んだとき美しさが浮き彫りになるような設計。古民家とも馴染むような設計。



カフェがうまくいったのは、彼のおかげだなと思ってる。

よく訪れた人が、自分ちの庭と変わらないような自然をみて「このカフェにくると、いつもの景色がすごく美しく見える。誇りに思える」と言ってくれた。絵の額縁のような「フレーム」としての空間の機能。それが心の中にも窓を作って、同じものが別の視点から見え、そして愛おしめるような空間を作ってくれた。



他の点でも彼はすごくて、使い勝手としても、触れた時の材の肌感覚、コストとの折り合い、現実と実感をあわせ持って作ってくれた。これは、きっとわたしが頭の中で小さく考えたことを実行してもらうだけでは、およびもつかなかった施工だったと思う。
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◾️大切にできるものは、大切に作りあったもの

 

1、誰を選ぶかを大切にする。
2、お互いのイメージを話す。
3、その人のセンスを信頼したなら、任せる。

必ず信頼出来る存在というのはいる。そういう人と一緒に、何かを作り上げていくのはすごく楽しいこと。オーダーメイドは、発注側の要望をただ形にするものではない。理想を語って一緒に現実に広げ、想定外のものを生み出す、一人では決してできないことをする面白いコラボ。

これは、仕事でも恋愛でも、何かの活動でも「生み出していく関係」を作る秘訣なのかもしれない。直感し、話し合い、信頼する。「大切に作り合ったもの」を、ひとは大切にしていくから。

◾️須藤圭太HP

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■著作エッセイ漫画
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]


■私がオーナーをしている、自然派菓子工房「ぽっちり堂」
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