地域創生「2世タレントとしてのUターン者」成功しても失敗しても「親の七光り」と言われる切なさからどう脱却するか

IMG_0001

田舎への移住者の中でUターン者を見ていると、まるで2世タレントみたいだなあと思います。さんまとIMALU、松本幸四郎と松たかこ、渡辺謙と杏、松田聖子と神田沙也加・・・。

「二世タレントだから親の七光りで得してる」といわれるか「実力がある二世タレントだから親の名前に負けず頑張ってる」と言われるかは、紙一重ですよね。



芸能人の場合だと、ある程度親のことは伏せたままデビューし、成功してから明かす人もいるけれど、田舎の場合はもともと身元がみんなに知られているから、隠すことはできません。そして、一個人の「 〜さん」というよりは「〜家の長男」というような見方をされることが主流。

自分が頑張ったから仕事がうまくいっても「親の七光りで」と言われ、うまくいかなければ「やっぱり親の七光りだから」と言われがち。それを気にして辛そうに人生を送っている人、どこか自信が持てない人。家を背負っているようで、プレッシャーに押しつぶされそうになる人もいます。

そんな中つぶされずに、自分らしく田舎でしあわせに生きていくには?地元と移住者をつなぐ存在としても大切なUターン者さん。今日は彼らに聞いたお話をもとに、考えてみました。

七光りをどう受け入れていく?


IMG_0002

田舎に帰った時点で、嬉しくても嬉しくなくても、自分に付随してくる親(家)の信頼、村への影響力を感じることでしょう。昔から信頼が厚い家なら「あの家の子なら」と就職もしやすかったり、いいポストにつけるチャンスもあったり。信頼によってスムーズにいろんなことが運ぶ面もあります。

でもそれは、子どもが望まなくてもなんですよね。「自分の力で頑張って何かを成し遂げたい」そう強く思う人にとっては、得というよりも逆に歯がゆいこともあるでしょう。色眼鏡で見られることも沢山ありますし、なかなか実力だけで評価してもらえない。村では最初から「あの家は嫌い」と思われている場合もあるので、負の要素になることもあります。

そして、与えられるものが最初からある、というのはそれだけ求められるものも最初から高いということでもあります。

つらそうな人のパターンは、

・どうせ俺なんて、とすねる

・プレッシャーに負ける

・天狗になる

・ 失敗した時に、そもそも俺なんて親の力で、と過剰に自信をなくす

この場合、とらわれ過ぎて自分の実力を低く見つもり力が発揮できなくなること、逆に天狗になってしまって実力を磨いていかないのが問題に。適正に自分の力を見ること、目線に負けずやるべきことをすることが重要。
 

幸せそうな人のパターンは、

・「七光り」と言われても気にせず謙虚にありがたく受け入れて、活用していく

・自信過剰にならず、かといって卑屈にもならないで自分の実力を把握している

・チャンスは多いが、チャンスをものにするには実力が必要なので、日々努力して自分の実力をつけている

嫌味も含めてこんな風に言われた時にも、さわやかに返し、過度に自信を喪失することもなく、天狗になることもなく、自分ができることをしていく。そんな人が幸せにやっていけてる気がします。ああ、それにしてもなんて人間ができてないといけないんだろう・・・これがまたハードルですね(*・ω・)ノ

自己評価を適正にしていけるか?という
のがポイント

きっと、自己評価が難しいんですよね。村の中では、「〜家の息子」という視点で見られることが多いので。自分でもよくわからなくなってくるんですよ。どこからが親の力で、どこからが自分の力でできていることなのか?

「自分なんてどうせ全然何もできないから」と思いすぎている人も。それがまた客観的に見た時には全然違ったりするんです。実際は、その人の実力があるからこそ仕事がうまくいっている。親の信頼はあくまでもベースのベース。


だからこそ、変に卑屈になることもなく、変に自意識過剰になることもなく、ただプレーンに自分のことを評価できるか?はとても大事。分からなかったら、周りで胸のうちも明かせ、客観的に評価してくれる人に聞いてみたらいい。

周りの人もそこんとこは理解して、ちゃんと評価してあげる。また、一個人として接することを意識する。それだけでも、どれだけその人の力になるか・・・と思います。


現実を中立に見る

IMG_0003

ずっと田舎で暮らしている方、またはUターンの方にとっては、村の中では過度に人目にさらされている気がすると思います。特に若い子がそんな風に感じているのを見ると、かわいそうになってくるんですけど、実際の話 「正直、そんなにみんなあなたのこと見てないよ」と思う場合も多いです。

村人同士がお互いに自意識過剰具合になってしまい、さらにそれを刺激し合う、そんな関係性に陥ってお互いに窮屈な思いをしているように見えます。そういう意識から出る人が、ひとりふたりと増えていって、お互いに気持ち良く暮らしやすくなったらいいよね、と感じます。

いつも、現実は中立であることを忘れないのも大事。
 村の雰囲気に傾向があるとしても、自分がどうとらえていくかで現実の解釈は変わります。


人の目が注がれた時に、

 自分に刺さるように感じていくか?

 それとも、温かいまなざしと感じていくか?

 もしくは、フラットに感じるか?


 刺さると思えば辛くてギスギスしちゃうし、温かいと思って接すれば人も変わっていくし、フラットにとらえれば、そんなに大したことじゃなかったことにも気がつく・・・。

とらえかたひとつで、自分がいたい世界、村の雰囲気を、ちょっとずつ創っていけるのかもしれません。

田舎では、移住者と地元者をつなぐ翻訳者としても、Uターン者はとても大切な存在。外側からと内側から、どちらもの目線を持っていることも大きな役割を持っています。

大事な一人の個人としても、どうかプレッシャーに負けずに幸せに生きてほしいな。誰もが息がしやすい環境が田舎で育っていけばいいな。そんな風に願ってます。
 
 

◾️メルマガをはじめます「ぽっちりライフを描こう」 限定動画、記事、講座の案内がほしいかたはこちらにご登録を

◾️ヒビノケイコのプロフィール・執筆&講演履歴と依頼はこちら

■ヒビノケイコ4コマ新聞のFacebookページやツイッターでは、ブログ記事で書いていない情報も発信中!
はじめての方で「いいね!」と思っていただけましたら、一押しお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加




◾️私がオーナーをしている、自然派菓子工房「ぽっちり堂」
山の素材で手作りした優しいお菓子ギフト・内祝い

■著作エッセイ漫画
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]

(インタビュー依頼、グラフィックファシリテーションもご相談ください)