物件情報だけで判断するのはダメ!移住成功の隠された重大ポイント「集落マッチング」で定住率UP

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◾️集落って、イメージできる?


高知へ移住して9年になりましたが「環境って、家や自然環境のことだけを指すものではないんだな~」としみじみ感じてます。「周りの人」「地域」も含めて環境なんですね。

ある地域と出会って暮らしはじめ、想定外の出来事にあいながら、自分も地域も少しずつ変化していく。そのうち、新しい暮らしの形・地域のあり方が形成されてゆく・・・それが移住の大変さでもあり醍醐味だとも思います。


移住先を検討するとき「~県」「~地域」まではな~んとなく想像がつくかもしれません。ただ、「高知」と一口にいっても海も山も川もあり、県内でも車で4~5時間かかるような場所まであって、地域性が全く違います。

さらに「集落」となると・・・!もはやイメージさえできませんよね(笑)私自身「集落によって性質が違う」ことは、実際に田舎で暮らし始めてやっとわかったこと。でも、ここのところが移住して長い間暮らしていけるか?にとってすごく大事なポイントだったんです。


◾️オーダーメイドの移住。移住者と地域のマッチングが大事


わたしが暮らしている高知県の山奥、嶺北エリアには、移住促進NPOれいほく田舎暮らしネットワークがあります。子育て世代の移住が多く、毎年、年間30組以上が移住。この団体では「オーダーメイドの移住」を大切にしています。まず、移住希望者の方にメールでエントリーシートを書いていただいて、現地へ来て頂き、お話をしっかりと伺う。その方がどんな性質・性格で、どのくらい地域や人とコミュニケーションをとりたくて、どんな場所でどんな暮らし、どんな仕事をしたいと思っているのか?全貌を話してもらいます。



特に、コミュニケーションが好きか嫌いか、地域とどれくらい関わって生きていきたいか?は重要なポイント。「コミュニケーションが好き、地域にできるだけ貢献していきたい」タイプの方なら、比較的、住民同士に密接な濃いつながりがある集落をご紹介。反対に、コミュニケーションは苦手、地域活動は最低限が希望」という方には、田舎の中での町的な集落をご紹介。さらに苦手、という方の場合には、むしろ「高知市など、地方都市の郊外も、都会から来た方には十分な田舎で、しかもしがらみは少ないですよ」とオススメすることがあります。

◾️「誰でもかれでも入れりゃいい」ではない。丁寧にすることで、定着率が高まる


「せっかく来てくれた移住希望者を違う町に紹介するなんて」と思われるかもしれませんが、長い目で見れば地元住民・移住者どちらも不幸にならないようにするために重要なこと。「誰でもかれでも、とくかくうちの町に住んでください!」ではなく、ちゃんと双方の性質、希望が合い、コンセンサスが取れた人に住んでもらったほうがいい。

そうでないと、長く続かない。暮らし始めてから大きな不満が出ると、もつれて大変なことになる場合も。「人口が~人減るから~人入れなければいけない!」という数値目標だけにとらわれず、マッチングを丁寧にしているかどうかで、ずいぶん移住者の定着率が違ってきます。(嶺北は実際に、他の地域に比べ定着率がかなり高いです)


◾️移住成功のコツは、決め打ちしないこと。


移住希望者の方には、意外と”自分がどんなライフスタイル、仕事、地域とのつながりを持っていきたいか?”がそこまで明確でない方もいらっしゃいます。今まで都会でしか暮らしていない場合、メディアや人伝いの情報しかないのだから仕方ないとは思います。

ただ、ご自分でつかめていないために、ズレた場所に入って苦労する・・・というパターンも。だからこそ、イメージだけで決め打ちしないで、まずはいろんな場所に足を運んで、そこで暮らす人たちの実際の時間や空間、暮らしぶり、働き方に触れていきましょう。多様なモデルをインプットし、自分はどうしたいか?考えるための素材を増やすのです。
 

地元の方も、明らかにズレた人が入ってくると、「もう移住者なんてイヤだ!」となることがありますので、そこは慎重にしたいところ。せっかく移住者に対しオープンになってくれていた気持ちがクローズになっちゃったら、すごくもったいない。逆に、信頼関係を作れる移住者が入ってきた集落は、そのあともウェルカムになる確率が高いんです。これは実際に。


とはいえ「物件がいいから、この家が気に入ったから、畑と田んぼ付きで古民家!理想~!」だけではない判断は、なかなか自分だけではできないもの。今は、移住促進の窓口が全国的にもでき、行政やNPOや民間団体が行っておられます。できれば、やる気があって親身に受け答えしてくれるところを見つけてください。


最初からネットなどで「この物件」と決め打ちせず、ピンときたエリアの窓口へ連絡してみて、まずは足を運び、話をしてみましょう。暮らしている人にも出会ってみましょう。心から話せるキーマンがいる窓口がみつかると、なおさら心強いですね。

しあわせな移住ができますように。


◾️高知県移住イベント。わたしも夫婦対談で出演します。

ヒビノケイコと、れいほく田舎暮らしネットワークの事務局長・川村幸司(夫)のトーク。移住生活のリアルが垣間見えるかも。
「東京」高知暮らしフェア2015年12/12(土)

「大阪」高知暮らしフェア2015年 12/13(日)


◾️移住促進NPOれいほく田舎暮らしネットワーク


◾️2刷目再発売、よく売れてます。わたしの著書。田舎暮らしの楽しさ悩み、すべてつめこんだエッセイ漫画です。



◾️読書の秋におすすめ→

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