すてきな隠れ家のような料理屋さんで、ほんのり灯りがともる。笑い声が聞こえる。昨日は東京で、紙芝居を使いながら自主開催講座をした。場の空気と自分のキャラ(実はアナログ)に合ってて、みんなにも楽しんでもらえる形になってよかったな。こんなふうに、いつもと違うやり方から抜け出してみることで、見つけられる新しいスタイルがある。
さて、講座ははじめて会ったとは思えないくらい皆さんが仲良くなり、おいしいごはんを囲んで、とてもしあわせな時間だった。
そんな中、参加者さんの一人が、ご自分で描かれた絵を持ってきてくれていて、こんなことを話してくれた。
「好きなことがいっぱいありすぎて・・・それなりにどれもうまくできるようになるんですが、その先に、仕事とかとどう結びつけていいのかわからないんです」
◾️好きなだけじゃダメ?
「好きなだけじゃダメなんだよ!」なんてよく言うけど、確かに、そうで。例えば、好きな人に、好きを伝えるためには、自分の思いを押し付けるだけじゃなく相手に伝わるような言い方、喜んでくれるやり方を模索する必要がある。そこまでにいたる、関係性作りや場の設定も土台作りとして重要になるだろう。
つまり、なんらかしらのかたちで好きなことと仕事をつなげていこうと思えば、「他者や社会とどうつながるか?」そのための試行錯誤が必要ってこと。
彼女の場合は、その話を聞いて周りの人が「じゃあ、わたしの名刺をその絵で作ってくれない?」「こんなのだったらほしいけど、どうかな」なんていろいろな形を提案していて、おお、早速いいなあと思った。
◾️好きなことと形がフィットするところを見つける人々
友達の美濃羽まゆみちゃんが思いつく。大学時代から創作的な人だったけれど、子供が生まれたのをきっかけに、「こんなのがあったらいいな」というアイデアで子供服を作り始めた。
すると「こういうのが欲しい人、きっと他にもいるんじゃ?」と自分なりの直感があり、ライフスタイルを描いたブログとともにネット販売をはじめたら、ものすごい人気に。彼女が昔、仕事でネットショップの運営をしていたというベースも手伝って、形がしっくり、はまったんだと思う。
↑まゆみちゃんの新刊
関東で頑張っている陶芸家の友人夫婦も、陶芸をどんなふうにやっていこうか?いろいろと試行錯誤して、今はファッションのブランドの中でアクセサリーやグッズとして展開しておられる。とってもおしゃれですてきなんだよー。日本にはアートのマーケットが育ってないから、何かしらの工夫をしないとやっていけない。みんな、夢だけ食ってたらいい妖精じゃないからね。芸大を出てもほとんどの人が創作活動をやめてしまう。芸術のためには経済活動も両立しないと続けられない。
だからこそ、友達が悩んだ末にこうやって第三の道を切り開いていく姿を見ていると、嬉しくなる。
わかりやすいのでいくと、例えばFBページという形に漫画と文章をのせて行ったら、1年で1万人のひとが登録してくれた。これは内容と形がぴったりはまったんだと思う。
ツイッターは、ただ呟くのはそんなに得意じゃないなーと思っていたけど、ブログ文の中の、いいなと思うセンテンスを分割してつぶやいていったら、なんか最近たくさんのひとにシェアされるようになってきた。10リツイートでもびっくりしてたのに、最近は300とか超えるようになってきて、へえ〜と思いながらたまに実験してみてる。(そこでバズるのが目的というよりは、ブログなりメルマガなり、講座にきてもらって、最終的にほんとうの意味でセンスの合うコミュニティメンバーを見つけるためなのだけど。)
ブログでは、センセーショナルとは反対の、すなおに語れるクラッシックな内容をwebという媒体にあげている。これも妙な組み合わせで、ある層の人たちに喜ばれる。
あとは、もうちょっと、届けたい人に届けるために精査していく必要があると思っている。
◾️好きだからこそ、届けるための形の工夫をする
そんなふうに、何かしらきっと「届けたい相手に、届く形」というものがある。
「好きなこと」を何らかしらの形で続けたいなら、「好きなもの自体への工夫」だけやっていても、続かない。そこには他者という存在がないから。自分の中で自己完結してしまうから。
陶芸なり、服作りなり、文章を書くことがずっと続けたい人は、好きだからこそ、届けるための形の部分をしぶとく、しぶとくやっている。
◾️さいごに
好きなことがあるなら、自分と他者をむすぶ「形の工夫」を。
時代背景への理解、ツールの研究と、実際の試行錯誤。はまってきたとき、すごく楽しい。これだ!と思う感触を感じるところまでやってみること。
今日から何ができるだろう?例えば、ブログでも、ツイッターでも、今度イベントに出てみよう!でも。なんでもいいから、形への実験、やってみよう。
◾️関連) 即完売!子供に着せたい服がなかったから”これがいい”を作った。消費物でなく「思い出に残る服」を届けたい/FU-KO美濃羽まゆみさん①
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