「自分の中にあるもの。詩が新しい窓や新しい部屋へ案内してくれる」
ことばって、あなたにとってどんな存在ですか?
詩人・作詞家でミュージシャンのtotoさんと、渋谷のflyingbooksで、ことばについて対談しました。
「いちばん仲のいいともだち」ことばと出会い直す旅
ヒビノ:今度、totoさんに「自分のことばを紡ぐ、詩のワークショップ」をしていただくのですが、どんなことをできるんでしょうか?
toto:詩っていうと、「自分の持っていることばをうまく並べて、ひとから評価を受ける作品」というイメージが強いと思うんです。けれど、詩っていうのが自分のいちばんプライベートな、自分のいちばん近くにある、自分のいちばん身近なツールとしての・・・・「自分のいちばん仲のいいともだち」なんです。
「自分といちばん仲のいいことば」があれば、色んなところにいつも新しい目を持って、物事を見ることができる。そういう、自分といちばん仲のいいともだちと、改めて出会える場所にしたいと思います。
ヒビノ:いいですね~。ことばを紡ぎたいけど紡げない人や、ことばが出てこない空白が怖かったり、もどかしかったりする人がすごく多いと思うんです。その0の地点から1を生み出す時に、どうしたらいいのか分からない。
怖いものとか、難しいものは、ちゃんとトレーニングしたら、誰でも素材を得ることはできる。そして、怖いものではなくて、すごく仲のいいともだちとして、温かくことばを迎えてあげられるようになる。そういうことですよね。
toto:そうですね。(ワークショップでは)ことばを使って色んな場面を作りながら、一緒にみんなで旅をしていくように。今まで出会ってなかったことばとか、自分の中で眠っていてまだ動き出していなかったようなことばとか。そういう場所に・・・自分の中にも外にも、1日かけて旅をできたらなあと思います。
旅をする相手
ヒビノ:旅をする相手ってすごく大事で、一人ではいけないところってありますよね。今回は、totoさんが旅のナビゲート役をしてくださる。totoさんの声や詩と一緒に、みんな自分の行きたい場所に到達する。そして、そこから紡げるっていう「ことばの旅」ですね。
toto:そうですね。実際には、この世に存在しない場所にも行けるっていうのがことばの強みなので、見たことのない場所とか、今この場所から未来に行ったり、過去に行ったり、宇宙に行ったり。自分のいちばん奥深いところに潜り込んでみたり。
ことばっていうのは特別なものじゃなくって、いちばん楽しい・・どんな時でもいちばん心強い、自分のあそび道具であって、自分の相棒でもあって。何かのスイッチでもあって、きっかけでもあって。何にでもなることばっていうのが、どんなものなのか。いつもの振り幅より大きく動かしてもらって、見えない景色を一緒に見てもらえるような時間にしたいと思います。
誰でもできる?
ヒビノ:それって、誰でもできますか?
toto:うん。できると思います。
ヒビノ:totoさんも最初全然できなかったんですよね。
toto:うん。しゃべるのが・・・お気付きの方もいらっしゃるかと思うんですけど(笑)しゃべろうとすると、カチンコチンになってしまうので。
ヒビノ:フリースタイルのライブだとあんなに饒舌なのにね(笑)しゃべろうとするとカチコチに・・・かわいいですね。
toto:ははは!わたしもすごく、まだ出会っていないみなさんの中のことばに出会うのが楽しみです。
自分の中にあるもの。詩が新しい窓や新しい部屋へ案内してくれる。
toto:ほんのちょっと自分の中に新しい窓をあけてあげたり、ことばで新しい舞台の設定を自分の中にしてあげることで、今まで自分の中にないと思っていたところに光があたって、ことばってどんどん・・・新しく作るんじゃなくて自分の中にあるものを見つけていくことでもあると思うんです。
ヒビノ:なんか、「届いた」って思うこと、ありますよね。未知の領域に。
toto:たぶん普段は外の・・・本を読んだり映画をみたり。特にことばに興味のある人は、いろんなスイッチを探していると思うんです。
けれど、詩っていうのは、自分の中に新しい窓をどんどんどんどん作って行ったりとか、まだ潜ったことのない自分の新しい部屋に行ったりする。そういうことができる。
しかも、自分だけでどんな時でもできることだから。電車に乗ってたりお風呂に入ってたり、つまらなくってちょっと頰杖ついているような時でも、パン!ってそのスイッチを自分で入れられると、どんどんどんどん、新しい物語が流れ始めるんです。
そういうトレーニングを一緒にできたらと思います。
ヒビノ:ぜひ。楽しみです!当日は、ギターの音と一緒に、ことばを出していくということもしていくので、すごく楽しみにしています。よろしくお願いします~。
toto:よろしくお願いします。
toto(とと)/プロフィール
詩人・作詞家 東京都大田区出身。
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。
すべてをやわらかく包み込む天性の声で、森羅万象につながろうとする言葉の人。
ヒップホップバンド「SUIKA」のフロントマンとしてATOM、タカツキと3MCの一翼を担いこれまで5枚の作品を発表。2011年、1st ソロアルバム ◯to◯(わとわ)を発表。
ポエトリーリーディングでSSWS(Shinjuku Spoken Words Slam)に出場し多くのMCたちと出会う。以来、降神(なのるなもない)、STERUSS、タカツキ、小林大吾、キリコ、みかとやす、nego、koducer×daoko等のアルバムに客演。
フジロック出場、フランスでもCDがリリース、日本、フランスへとバンドの活動がひろがる。ギャラリーでポエトリーリーディングをしていた際に出会ったS-KEN氏に「これだけの詩バカはひさしぶりです」と最高の言葉をいただき弟子入り。
作詞の教えをうけ、ワールドアパートのアーティストを中心に作詞家としての作品を発表。日常に物語のはじまりを見つけ、観客と一緒に扉を開くような即興を交えたライブを続けている。
映像的な言葉、日常の中の旅、小さな子供達の眼差し、光と闇の交わり、記憶と未来など毎回ライブのモチーフは変化してゆく。画家zoneとの言葉と映像のユニットponderosa(ポンデローサ)のライブもおこなっている。
・toto official homepage
・toto/SUIKA inteview
Amebreak (SUIKA)
作詞
音楽producer S-ken氏のもとでWorldapartのアーティストを中心に作詞をはじめる。
〈主な作品〉
◇中山うり「夏祭り鮮やかに」
映画『あの空をおぼえてる』(Cast: 竹野内豊 水野美紀 広田亮平 吉田里琴/小日向文世 Director: 富樫森)挿入歌。
◇2011年 札幌国際短編映画祭から世界へのメッセージ「 thank you world」
thank you world(poetry reading大貫妙子・リー・トンプソン)
◇windy (from 1st ALBUM ◯to◯(わとわ)
toto “windy” (full version)
CM ナレーション
◇マルヤガーデンズ Maruya-gardens / Grand Open TVCM
◇MAZDA second seat story(webCM)
◇TOKYO TREE PROJECT KINO
http://www.kino-mono.jp/products/tsukurukit/
toto×タカツキ
SUIKA MV
Juicy Fruity Spicy Funky
手をならせ