「幸せに暮らしましたとさ」で終わらない。移住して地域暮らしが辛い「先が見えない病」から脱出するには?

シンデレラみたいに王子様と結婚したら「幸せに暮らしましたとさ」とはいかない


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田舎は楽しい暮らしができるけれども、
場所によっては自殺率も高いという影もある。

なんで?と思っていたけど、11年暮らしてみて、
その根源になっているものが、最近なんとなくわかる。



「見通しがたたない」からだ。



なんの?というと、経済など切羽詰まった理由もあるだろうけど

 「これからの自分に対する希望が見えない」のだ。



・・・


地域に移住するときって、ちょっと婚活と似てる気がする。

まず条件が多すぎると、マッチングできないまま年齢だけが上昇していく。



だから、まずは「付き合ってみよう」みたいな感覚ではじめて、

一つだけ一番大切にしている条件(例えば性格がいいとか)が合えば、

 「とりあえず」地域に入って、暮らしてみるというパターン。



まあ確かに、完璧な職場が決まってから、

すべての準備が整ってから・・・と思っていると、

「そんなもんないよ」「おばあちゃんになっちゃう」という場合がほとんど。

それに、地域の人たちと馴染んでやっていけるかどうかは、

実際暮らしてみないとわからないところもある。

そんなわけで、ある程度今ある条件を受け入れて、

暮らしながら働き、認められていく。

そしてまたタイミングがきたら、転職したり、独立したりする・・・

そんな流れが多い。



・・・


ところが数年して、土地に慣れてきたころ、

(うまくいかない人はここでもういなくなってる)


地域に根付き、一生懸命やってきた人ほど

請け負っているものが多くなり、苦しくなることがある。



気がついたら、しがらみや付き合いばかり、 

本来優先するべきものを、

優先できなくなって身動きがとれない事態になってる。



そうしているうちに、なんとなくもやもや・・・という黒い影に苛まれる。

この影が家族や地域、職場での問題として立ち現れてくる。



なんとなく鬱屈した気持ちになるのは、なぜ?

深くみていくと、相手の問題だけではなく

 「自分の、先が見えないから」。


本当のリスクって?



もちろん、地域での暮らしや仕事のバランスはいいし、
子育てはのびのびできる。

自然の中で過ごせるのも幸せ。



収入は少なくても、家や食べ物はじゅうぶんにある。

地域の人との、助け合い、つながりもある。

いまという時間にはまんぞくしている。




けれど、実際にこれから老後を考えると、

「健康で地域のつながりがあればなんとかなる」

 でほんとに大丈夫なんだろうか?と思う。



また、田舎では若い人材が少ないので、ちょっと能力があると、

すぐに組織や物事のトップに立つ状況になるのはいいところかもしれない。




見守ってくれる地域の人たちはいるし、
人間としての懐の大きさや信頼関係、
自分だけではなく地域を思っての行動力、
すべてを効率で終わらせない良さなどは伸びる。
 
 

反面、キャリア構築、仕事面でスキルアップをする機会や
組織をよりよくする機会はほとんどない。

適切な助言をくれるような人材に出会うことも、めちゃくちゃ稀だ。




その結果、例えばマーケティングについてよく知らない人たちが

素人考えで大きな予算をとって、物事を動かし個人的に満足していたり

やり方の幅が狭いままでも、やりさえすればオッケーなレベルになっていたり

ものごとの改善をせず、そのまんまになっちゃう・・・



その結果、「仕事は、こんなものだ」と思い込んでしまって、

客観的に見てみれば「???」というような状態になることもある。



これが個人の事業だったら、

自分がしたいことを社会の役にたつように

経済とつなげて循環させるところまでが自分の責任になるからまだいい。

価値が生まれれば収入があるし、

生まれなければ、収入がない。

どっちにしろ自分のせいで、その影響を享受すれば完結できる。



でも、田舎の事業の多くは税金や補助金だったりするから、心が痛い。

他者視点がなく、社会と紐付いた価値を生んでない。

 

そういうものに若くして慣れるのは先々自立できなくなるリスクを孕んでいて、怖い。

自分もふくめて、地域で暮らす以上、気をつけなくてはいけないことだなと思う。



定期的に自分を更新するという安全策



そんなわけで「地域を選択し生きてる自分=自覚的な人生」という時点で、
思考を停止してはいけない。

数年後地域に慣れて、物事やつながりができるほど、

「これから自分は、どんな風に生きていきたいか?」について、

思い、環境、経済などの具体的な面から、定期的に考え直すことは必須。



それに基付き、いままでの経験、能力の棚卸、キャリアの設計、

スキルアップの仕方とタイミングを考えていくこと。



自分一人ではない人生だから、家族と一緒に考えることも大切にしたい。



おもわず100歳まで生きちゃうかもしれないし、

その割に社会保障はあまり受けられなさそうだし、

しかもAIなどふくめ仕事の変化も大きい時代に、

それらを定期的に見直していくことは欠かせない。




逆参覲交代の反対



最近は、「逆参覲交代」とか言って、都会から田舎へ、

企業からサテライトオフィスや研修でやってきて、

田舎で数年暮らし働き、また都会へ帰るというスタイルも現れてきた。



反対に、わたしはふつうの「参覲交代」のように、ただの田舎のひとたちが、

20代、30代、40代、50代・・と、それぞれのタイミングで、

キャリアアップやスキルアップ、やり方や考え方のリニューアルのために、

都会で働く機会も必要なんじゃないかと思う。



あまりに極端な競争社会で生きて行くのも大変だけど

あまりになあなあで出来上がりすぎた世界で生きて行くのも大変なことだ。



移住してからの長い地域人生を思うと、
家や仕事の紹介だけではなく
定期的に都会と田舎の現場を行き来できる、
大人の学びシステムが、あればいいなと思う。

お互いの良さであるスキルと論理性、信頼やつながり

暮らしと仕事のバランスを統合できるような。
 


わたし自身も、こうした地方の人たちの
ライフデザイン・キャリアやスキルアップの
お手伝いが仕事でできるように準備していく。 



最後に



「いかに豊かと思える人生を送れるか?」

好きな地域を選んだから・・・
好きな仕事を選んだから・・・
好きな人と結婚したから・・・
それで終わらずに。

自分を定期的に更新するために、
具体的に考える時間を作ってみよう。

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