「いつも自分の思ってることを、表現できていいですね」
「こんな地域、うらやましい」
「こんな仕事ができるなんて、ほんといいなあ」
「きっとこの人はいつも創造性にあふれていて、
パッとものごとが作れるんだろうなあ」
表現や仕事を見て、そんなふうに思うこと、
言われることが、あるかもしれない。
でも、その結果やフォルムが見えるまでのプロセスには時間がかかる。
自分を成長させていきたいなら、
見るべきは表面ではなく、
その人が行っているプロセスだ。
◾️美しい陶器ができるまでには、たくさんのプロセスがある
わたしは美大にいるとき、陶芸を専攻していた。
なぜニッチな陶芸を専攻していたかというと、
高校生のころに通っていた美術アトリエで
立体造形のセンスを見出されたことと、
茶道や工芸が好きだったことが原因だ。
陶芸から学んだ汎用性のあるものごとは、
・素材と表現と日常を結びつけていくこと
・ プロセスの長さと多さ
である。そして、ここでたくさんの葛藤をした。
わたしは、基本的に感覚派。
だから、土を触りながら形を変えて、
イメージと感覚を溶け合わせ、
現実のフォルムを一致させていく作業が好きだった。
水彩やペンならすぐに見えたイメージを
絵の具で描けば思ったものができる。
だけど、陶芸はそこで終わらない。
形をつくったその先に、 土を乾燥させて、
素焼きして、釉薬を塗って、
本焼きをして・・・というプロセスがある。
はっきり言って、
当時のわたしにとって
これはものすごいストレスだった。
即興的な表現が
すぐに作品にならないことが、もどかしい。
頭で科学的に計算して、
釉薬の色を変換して考え、
重ねないと思った色さえでない。
土の薄さを吟味しないと割れる。
プロセスの長さと段階の多さが大嫌いだった。
だけど、最近思うのはこのプロセスや段階も、必要だってこと。
表現活動にしろ、事業にしろ、地域にしろ、自分の人生を作ることにしろ、
・は!っとした即興的な表現力と、科学的に考えた先のデザイン力。
・計画や計算をしていくことと、楽しさや面白さを持って感性をぶつけていくこと。
このふたつは、どちらも必要だから。
例えば、陶芸で形をつくることは、事業の具体的な内容の現れのよう。
土を乾燥させて素焼きしても割れたり、
歪みが出ないようにするのは、
事業の仕組みがまっとうか、
人間の心が伴った組織になっているかの現れに似ている。
釉薬を塗って色を出すのは深みのある世界観の醸成に、
本焼きをしてできあがったものは、一連の仮説実験の結果。
そこまでいって初めて、美しいかどうかがわかり、
そのあとにさらに・・という道も見えて来る。
・・・
「今すぐ結果が出したい」
その欲求は大事なものだけど、すべてを支配されず、
プロセスを俯瞰して一歩一歩を、着実に踏んでいくこと。
・・・
となりの芝生は青く、結果だけが見えやすい。
そこまでたどりつくためのプロセスは、
その人しか知らないし見えない。
時には「できない」と心がくじけそうになっても、
諦めないで続けた先に、満たされた気持ちと結果が現れる。
だからこそ、その過程を汲み取れる人になること。
どういうプロセスを通っていけばいいかを見つめること。
やることをやりながら、成果がでるまでの時間を待つこと。
◾️さいごに質問
「あなたが憧れる人は、どんなプロセスで生み出していますか?」
見えない歩みをとめないで。
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