洗練と温度。幻の作家【岡上淑子コラージュ展】



グレーの雪雲が、山を覆っている。

煙っているみたい。



ちらちらと雪の粉が降ってくる。

ああ、寒そう。



白くて、細くて、このまま積もるのかなあ。

帰りは大丈夫だろうか・・・と

思いながら、車を走らせる。



暗いトンネルを抜けると、

うそみたいに、水色の空がひろがった。



冬の上品な光が、射している。



ぴかあーってなった瞬間、

うれしくて、笑みがこぼれる。



街に近付くたびに、明るさが増していく。



・・・



今日は、高知市立美術館にきた。




学芸員の川浪さんにおすすめされた、

展覧会「岡上淑子~はるかな旅~」を観るためだ。



岡上淑子さんは、

1950(昭和25)年~1956(昭和31)年にかけての

わずか7年間のみ(!)



進駐軍が残した洋雑誌をもとに、

約140点の独創的なコラージュ作品を制作し

敗戦後、美術家の瀧口修造に見出されたが

結婚を機に美術界から姿を消した。




1996(平成8)年に「再発見」されるまで、

長らくその存在は忘れられたままだったが、

国内外の美術館で再評価が進み、

近年ファンが増え続けている。



岡上淑子全作品
岡上 淑子
河出書房新社
2017-12-14


はるかな旅: 岡上淑子作品集
岡上 淑子
河出書房新社
2015-03-26




彼女の作品を見た時、びっくりしたのは

シュールさがあるけど、男性的な冷たさがないこと。


こういう温度のコラージュって、

見たことがないなあって。



のりで貼ったというアナログ感とは対照的に


「一年以上かかってイメージにあう

雑誌の切り抜きを探すこともあった」


という作品への厳密さを感じる。


ものすごく、洗練されたコラージュ。



そこには

ふっとした軽快さや面白みがあったり、

じいっと眺めたくなる奥深さがあったり、

時々怖かったり、

ちょっとした残酷性を発見したり。


仕事と日常のあいだで、

ちょっと違う時空から

すきまと問いを与えてくれる作品だった。





なにもしない時間、

ぼーっとする時間を作りたい時。

休みの日。





展覧会にいってみると、

何かがふと変わるかも。


(高知県立美術館・岡上淑子展詳しくはこちら→

https://moak.jp/event/exhibitions/post.html

◾️今日の質問




「展覧会、これが良かった」

「こんなのがあるよ!」



あなたのおすすめ、ぜひ教えて下さい。


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