■翻訳者の存在は重要
今の時代、この「翻訳者」の存在(違う価値観の人・分野・業界・コミュニティをつないでいく人)はとても重要だと思っています。
この間、ある地域で講演させて頂いた際に、生粋の古くからの考えの地元者と、新しく来た移住者の間に立つUターン者の気持ちを聞かせていただきました。
Uターン者は両者をつなぐ翻訳者という立場になりやすいですよね。どちらの方向からも物事が見え、どちらの脈略も考え方も分かる。その行動のバックボーンや、使う言語も分かる。
だから、両者の間がトラブルになった時に声がかかり、その間を分かりやすく翻訳する。それによって誤解が解けたり、お互いの行動の理由や考え方が分かって解決されることは多いです。
■ハザマにたつ人のジレンマ
だけど、このハザマにたつ人にも、はさまれる時の葛藤やジレンマがあるんです。境界に立つからこそ、翻弄されたりすることもある。例えば嫁と姑にはさまれた夫みたいに(*^・ェ・)ノどちらの立場の人も大切に思うからこそ役立とうとするんだけど、気がついたらどちらもに「あいつは八方美人」と言われたり「おまえが紹介したあいつ、変なやつやんけ」と人の責任を転化されることも・・・・(´;ω;`)それだけリスクを負ってでも、間にたっているということなんですね。
これは、地域や移住に限ったことではなく、どんな業界でも分野でもあてはまることだと思います。
だから、もしあなたが「つなげてもらったなあ」と感じたらちゃんと感謝を伝えたり、大切にしてあげてください。また、学んだことを自分の中にちゃんと積み上げ生かしていくことが大事です。
■自分が翻訳者になる。異文化を混ぜあわせ、地域や業界に新陳代謝を起こす。
さらに、やってもらったことを返すとすれば、自分自身も「誰かと誰かをつなぐ翻訳者」になれたら素敵ですよね。これは、Uターンの方だけでなく、地元者でも移住者でも、理解が進めばできること。
そうすれば、地域に翻訳者が増え、助かる人達が増えます。地域が閉鎖的にならず、多様な人達が暮らせる地盤が広がっていきます。
別の業界に置き換えても同じで、新陳代謝が出来てない地域や仕事からは、これから先を生き抜いていける新たな在り方は生まれていきません。(参考記事「あいつはこの業界を降りた」に見えて「実は業界の寿命を延ばし可能性を広げてる」本質×翻訳×表現で「半歩先の仕事を作る」)
地域に新しい風が通り元気になるためには、古くからの人々が持っている知恵も、新しい人々が持っている知恵も必要です。それがうまく統合されるための通気口が翻訳者。
それらがうまく混ざり合い、新たに再構築されていったとき、今の時代の現在進行形での「地域」が出来てゆくのだと思います。
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