地方創生フェスに登壇「地方が盛り上がるか盛り下がるかの差」

地域創生フェスなるもの

チューリップみたいに、昼間全開にひらいたら、夜は閉じる。650人の前に立った夜、「これでもか!」というほどお皿に盛られたクレソンサラダと焼き鳥をたべた。ホテルに帰ってお風呂でふえ~・・・と息をはきながら、どうでもいい漫画を読んで、気をホッとさせる。


人前に出るときには、最大限にいい時間を共有したい。一人になったときは、びっくりするほど閉じこもりたい。呼吸のように、吸って、吐いて、収縮する。それが相反することではないと気がついたのはつい最近のことだ。
 

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こう見えて意外と根暗なわたしだが、昨日は、渋谷ヒカリエで行われたイベント「地方創生フェス」なるものに出演した。650人の参加募集に対して、1200人ほどの応募。今回は登壇者が若手なので、いつもより女性と若者の比率が高かったみたい。

登壇者さんはみんなそれぞれ地域で頑張っている方々で、自分の言葉を持っている人たち。わたしなどにお声かけいただいてもいいのかな?と思いつつ、高知の山暮らしの妙な面白さを知ってもらう良い機会かな、とも思ってできることをすることにした。

そこまで悪い人って、いないんじゃないかと大人になるたびに思う

 お昼には、登壇者さんと石破大臣たちとのランチ会。フェスが始まってからは、大臣ほか、様々な方のスピーチを聞いた。みんなすごい切れ味と面白さがあって感心する。

わたしの実家は、阪神タイガースを応援するかのような政治好きで、「勝った負けた」とか「どの政治家はすごくよくて、どの政治家はもんのすごく悪いヤツ」そんな言葉をいっぱい聞いて育った。そのため政治アレルギーになり、大学生のころには「政治にはできるだけ触れたくないわ」と、避けるようになった。

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登壇されたみなさんと。大臣と漫画家のこばやしたけしさんは対談を。牧島かれんさんがスピーチを。元greenz.jp編集長の兼松さんの名コーディネートのもと、オーガニックの八百屋さん・移住支援員・料理家・ブランドディレクターなど各地から集まったパネラーがお話しました。

そんなわけで、小さなころは「世の中の政治家や官僚は、悪い人が多いんだ」と思いこんでいた。
でも、大人になるにつれ、政治家の方や官僚の方などとお話をしてみると、世間でいうほど「そこまで悪い人はいない」という印象だ。もちろん、主義主張の違いはあるのだけどね。違うことはただ、違うことである。という感じ。


みんなよく「弱い人を差別してはいけません」って言うじゃない?じゃあ、「強い人」認定される人には何を言ってもいいのかなあ。そんな風によく思う。
呼び捨てにしたり、人への扱いとは思えないくらい、めちゃくちゃに言ったりするのを見ると、ある意味で「自分とは関係のない世界だから、人だから」と自ら世界を分断しているように感じる。
 

政治家や、アイドルや、アイコンみたいになってる人に対しては、気軽になんとでも言いやすい。もちろん彼らはそれも含めて仕事をしているのだろう。だけど、接してみれば、ほんとは生身の人間なんだよなあ。


地方が盛り上がるか盛り下がるかの差

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わたし自身、今の政治についても、地方創生の施策についても、疑問はいっぱいある。だけど、 政治的な主義主張や目指す方向性は違ったとしても、その人なりに真剣に考えた上で実感をこめてしている姿は、尊敬できるのも、また事実だ。


「信頼」というものは、こちらが持って接したとき、向こうも持ってくれる面がある。例えば地方の小さな田舎町で、盛り上がっていく町と衰退していく町との差は何なのか?よく見てみると、住民と行政との関係性に差があることに気がつく。


 衰退していく町は、住民が「行政は、どうせわかってくれないから」「行政はアホで馬鹿で」みたいなことを延々と言い、自分たちは何もしていない傾向がある。お上をバカにしながら、お上に頼ってるっていうか・・・。

もちろん、行政も政治も、わたしたちの思うようにはしてくれないもの。とらえどころが違い、ズレてたりするもの。だけど、伝え方で変わるところもある。

盛り上がっていく地方の人は「行政もいろいろ大変だよね。ちょっとズレてたとしても、真剣に町のことを考えている気持ちは同じ。一人の生活者として、NPOとして、地域活動として・・・こういうことを自分たちはやるから、後押ししてくれないかな?」と考えて接していく傾向がある。そんな風に接していると、公務員でも官僚でも政治家でも、必ず良い人はいるもので、協力関係ができていく。


パフォーマンスではないリアリティ

 もう一つ、地方の良さは、行政とか役場の人、県知事などもすごく近い存在というところにある。わたし自身、高知に移住してから、のっぺらぼうだったお役人が「どこそこの誰々さん」と、顔が見えるようになったことで、人としてみれるようになった。


テレビでみるプロレス・パフォーマンスのような政治がなんとかしてくれる、ではなくて、実際にわたしたちができることをしていくことで、町が変わっていくんだ、ということがリアリティとして感じられる。


政治のあり方は変化せざるを得ない


これからものすごいスピードで、日本は人口減社会になって、国や行政から出せる税収をもとにした予算・補助金は減っていく。
そうすれば、たとえイヤでも、地方は住民主体で町を動かしていく必要が出てくる。


昔は「国や町をつくるのは政治家で、住民がその政治家を支持する」というのが政治のあり方だった。だけど、これからは「国や町をつくるのは住民で、政治家は、そのサポートをする」というのが政治のあり方に変わってくる。・・・というか、そうせざるを得なくなってくるだろうな。東京以外の地方では特に。


地方創生は、高度経済成長以降、最後に国から地方にばらまくお金・・・という意味ではなく「新たなあり方を作っていく」という意味に、自分たちでしていくもの。そう感じた日だった。

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